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    探究学習で生成AIを使うとき、過程をどう評価する?観点別評価とのつながり

    Cognity
    5分で読めます
    探究学習で生成AIを使うとき、過程をどう評価する?観点別評価とのつながり

    探究学習で生成AIを使うときは、成果物の出来映えではなく、課題の設定から情報の収集、整理・分析、まとめ・表現までの過程を評価します。AIの登場で新しく生まれた考え方ではありません。高等学校学習指導要領解説(総合的な探究の時間編)は、もともと成果物の出来映えをそのまま評価とするのは適切ではないとし、学習状況の過程を評価するよう示しています。※1 生成AIは、この原則をより切実にしただけです。

    Cognityは、生徒が生成AIと一緒に課題に取り組む過程を記録する、AIの可視化ツールです。この記事では、探究の評価の原則を確認し、生成AIを使う探究で何を見取ればよいかを紹介します。

    探究学習の評価の原則

    学習指導要領解説は、探究の過程を「課題の設定→情報の収集→整理・分析→まとめ・表現」と示し、評価については次のような原則を挙げています。※1

    • 数値的に評価することは適当ではない
    • 信頼される評価、多面的な評価、学習状況の過程の評価を行う
    • 成果物の出来映えをそのまま評価とするのは適切ではない
    • 評価は単元の終わりだけでなく、事前や途中にも位置付ける

    ポートフォリオや学習記録、自己評価・相互評価も、評価の方法として挙げられています。

    観点別評価とのつながり

    中央教育審議会の報告は、「主体的に学習に取り組む態度」を、粘り強く取り組もうとする側面と、自らの学習を調整しようとする側面の二つで評価するとしています。※2 挙手の回数やノートの取り方のような形式的な活動で評価するものではない、とも明記しています。

    生成AIとのやりとりには、この二つの側面がそのまま表れます。うまくいかないときに問いを立て直したか、AIの答えを鵜呑みにせず確かめたか、自分の考えに合わせて使い方を変えたか、といった点です。なお、観点別評価と生成AIを直接結びつけた文部科学省の文書はなく、ここでの整理はCognityの考えです。

    生成AIを使う探究で見取りたいこと

    探究の段階ごとに、AIをどう使ったかを見ます。

    探究の段階見取りたいこと生成AIのやりとりに表れること
    課題の設定自分の問いを立てられているかAIに頼る前に、自分の考えを書いているか
    情報の収集情報を確かめているかAIが示した資料を、出典までたどって確認したか
    整理・分析情報を比べ、関係づけているかAIの答えをそのまま使わず、取捨選択したか
    まとめ・表現自分の言葉で表現しているか文章を自分で書き、助言を受けて推敲したか

    文部科学省のガイドラインも、課題研究では生成AIとのやりとりの過程を参考資料として添付させることを、活用の例に挙げています。AIのたたき台を自分で推敲する場合は、校閲の履歴とともに提出させる例も示しています。※3

    Cognityで見える探究の過程

    生徒はCognityの中で、AIチューターのJelloと一緒に課題に取り組みます。やりとりは「アイデア・執筆・改善・提出」の段階ごとに残り、先生は提出物の横で確認できます。

    下の生徒は、書いている途中で「SNSが睡眠不足の原因だ」と書いてよいかをJelloに確かめ、本文では「関連がある」という表現に改めました。情報の収集と、自らの学習を調整しようとする姿が、そのまま記録に表れています。

    Cognityの教員画面「会話」タブ。執筆の段階で、生徒が睡眠の研究を「原因」と書いてよいか尋ね、Jelloが「関連」とするのが適切だと答えている
    「会話」タブ。研究を「原因」と書いてよいか尋ねた生徒に、Jelloは「関連」とするのが適切だと答え、生徒は本文の表現を改めました。
    Cognityの教員画面「アクティビティ」タブ。自作率100%、AIとの会話がアイデア・執筆・改善の各段階に分かれている
    「アクティビティ」タブ。文章はすべて自分で書き、Jelloとの会話は構想、執筆、推敲の各段階に分かれています。

    生徒にはリンクを送るだけで参加してもらえます。アカウント登録は不要です。もちろん、学校単位で導入する場合は、校内のLMSとの連携もできます。

    よくある質問

    Q1. 生成AIを使わせると、探究の力が育たないのでは?

    使い方しだいです。文部科学省のガイドラインは、情報活用能力が十分に育っていない段階での自由な利用や、教科書などで調べる前にAIを使うことを不適切な例に挙げています。※3 段階ごとに使ってよい場面を決めれば、AIとのやりとり自体が探究の材料になります。

    Q2. やりとりの記録を、成績にどう反映すればよいですか?

    記録そのものに点数をつけるより、ルーブリックの観点を見取る根拠として使うのが自然です。学習指導要領解説も数値的な評価は適当ではないとしており、記録は多面的な評価の材料の一つとして扱えます。※1

    課題ごとの利用ルールの決め方は高校の課題ごとの生成AI利用ルールの決め方に、検出ツールの限界はAI検出ツールで生成AIの使用は見抜ける?にまとめています。

    参考資料

    1. 文部科学省(2018)「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 総合的な探究の時間編」
    2. 中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育課程部会(2019)「児童生徒の学習評価の在り方について(報告)」
    3. 文部科学省(2024)「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0)」

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